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ここは沢山のビルが立ち並ぶオフィス街の一角。沢山の人々が働くこの場所は、広告代理の仕事をする職場で、その名も『クライス』ドイツ語で、円、輪、グループと言う意味があるらしい。このオフィスビルは都会らしくとてもお洒落で、毎日働きがいがあり、最高な職場だ。そんな素敵なオフィス内に私の声が響き渡った。
「木下次長、好きです。私とお付き合いして下さい」
「皆川、すまないが君と付き合うことは出来ない」
溜め息交じりに私にそう言ってきたのは木下颯斗さん。年齢は34歳で黒髪の短髪にいつも眉間に皺を寄せ、難しい顔をしている強面な人。木下次長の顔のパーツは目鼻立ちがハッキリとしていて、かなりのイケメンさんなのだが、木下次長はイケメンな強面の顔面に、いつも深い眉間の皺を寄せて仕事をしている。いつも不機嫌そうに眉間に皺を寄せながら仕事をしているため、木下次長に声を掛ける部下達は皆ビクビクしていた。そんなに怖い人では無いと思うのだが、オーラと威圧がいつもにじみ出ているため、どうしても部下達を萎縮させてしまう。そんな木下次長は私、皆川琴葉の上司で次長という役職に就いている。34歳で次長というのはかなりのスピード出世であり、将来が約束されているに等しい。そんな彼に私は今し方告白をして撃沈した。うなだれる私を同僚達がこちらを盗み見るように、チラリと見ながらヒソヒソしていた。
「皆川さん、またやってるよ」
「ホントだ。良くやるわよね」
「鋼のメンタル。私なら無理だわ」


