実はこの最強男子、独占欲強めの狼でした(泣)。

「これで詩乃は一生俺の女だな?」
そう言って口角をニヤリと上げる。
……ひえぇ。怖いよぉ。
おびえながら悠里さんの顔を見る。
「はあ。可愛くてたまらない。絶対あとで抱きしめる。」
相変わらず視力が悪い悠里さんは、怖い。
「あ、あと、大事なこと忘れてたわ。」
だ、大事なことって、何?
そんな私の疑問に答えるように悠里さんは言った。
「詩乃は可愛すぎるから、この名前と道具で別人になって。詩乃の顔が他の男とかに見られたら俺の心臓が持たないから。」
悠里さんが私のことを心配して……
意外と本心は優しいんだ。
内心怖いと思ってたから少し安心した。でも相変わらず私にお世辞を言ってくる。
ところで、「この名前」ってなんだろう。私の疑問に答えるようにサラッと悠理さんは言った。
「真田詩乃とは学校の名前で登録はしてあるけど、普段は小豆嬬真《あずきつま》って名前で生活してもらう。」
あずきつま…とってもいい名前。だけど、この名前に私なんか似合うはずがない。
「それと、これからは学校ではこれを付けていってくれ。」
そう言われて渡されたのは、分厚くてレンズが大きいメガネと、茶色のボサボサのウイッグだった。同じく茶色のコンタクトレンズとそのケース。この道具ってこれのこと?何のためにあるんだろう。そんな疑問を口にしてみた。
「詩乃は鈍感だね。自分が美少女なこと知らないぐらいだから。まぁ、こんなことはおいといて、これからそれを付けて登校してね。」
びしょうじょ?誰のことを言ってるんだろう。まあ、もうこの話題からは切り替えて、悠理さんの言っていることはこれからこの姿で登校しなきゃいけないってことかな?どんな姿になるのかまだ分かんないし、いったん付けてみよう。
「悠理さん、1回これ付けてみていい?」
「ん。じゃあ俺ここで待ってるわ。」
早速OKをもらったから、洗面所に行って用具を付けてみる。
私の顔を鏡で見ると、髪はほどけていて、髪色は淡いむらさき。そして目の色は桃色。やっぱりいたって普通の顔だ。そんな私の顔に渡された用具を付けてみる。
……よし。これで大体完成したから、悠理さんに見せにいってみよう。
そう思って廊下をトコトコと歩くと、ソファーに座っていた悠理さんがいた。
「あの、悠理さん、大体完成しました。」
「…まだダメ。可愛さが完全に隠れきってない。」
「そ、その、可愛さが完全に隠れきってないとダメなんですか?」
疑問げな顔をすると、悠理さんの頬が赤くなっていた。
「もうっ。しょうがないなぁ。じゃあ、学校では絶対に変装を外さないこと!何かあったらすぐに俺に電話して。分かった?」
「は、はいぃ」
相変わらず心配性だなぁ。悠理さんは。
「それと、俺のことは悠理って呼んで。敬語ナシ。言ってみて。」
は、恥ずかしい…でも、頑張っていわなくちゃ。
「ゆ、ゆうくん…?」