実はこの最強男子、独占欲強めの狼でした(泣)。

 「まさか詩乃、俺のこと忘れた?」
「第一、あなたは誰で……」
「忘れたんだ。悪い子。キスしちゃうよ?」
「やめてっ、くだ、さ、い。」
「それ逆効果だから。」

毎日私は悠理さんにいじめられています。独占欲100%の狼に。


 「つ、着いた~!」
 家から電車で1時間、やっとあの名門校、琉生《るせい》中学に着いた。やっぱり徹夜で受験勉強をしたかいがあったなぁ。
 そう思って正門を通り過ぎると背後から気配がした。
「詩乃、お迎えに来たよ。」
え、誰?そう思って振り向くと、私と同じくらいの年の男の人がいた。
「ど、どちらさまで?」
私の疑問を声にしてみると、男の人が不敵な笑みを浮かべた。
「あれれ?知らないの?」
な、何をですか!?とい向けてきた。答えるように男の人は言った。
「これから俺の嫁になって、一生を竜之川グループの別荘で過ごすこと。」
どどど、どういうことですか⁉
「そ、そんなの聞いてませんよ!」
「ふ~ん。じゃあ櫻子さんに聞いてみようか?」
そう言って私のお母さんに電話し始めたんですけど⁉ていうか第一、なんでお母さんの本名を知っていて、連絡先も知っているの⁉
「こんにちは。櫻子さん。」
『あら、こんにちは。悠理君。』
おいおいおい、なんで他人の母と普通にしゃべってるんだ?
「じゃあ、さっそく詩乃に代わりますね。」
そう言ってスマホを私に向けてきた。その流れのまま、私は言葉を発した。
「お、お母さん!だ、誰なのこの人!」
『ただ、詩乃もいい年頃になってきたし、婚約の時期かと思っただけなのよ。しかもこんなかっこいい人に婚約を誘われちゃって!世界で4分の3ぐらいしかいないイケメンじゃない!』
いい感じに浮かれてきてるお母さんを見て、ちょっと腹が立った。
『それじゃ、また電話するわね。愛の夜をお過ごしに♡あ、名前を教えてなかったわね。悠理君っていうのよ。じゃあまたね~』
そういわれて強制的に電話が切れた。こういうのが親バカっていうのか。それを今日感じた。