ねぇ、あのさ *男の子目線*



中三の秋頃だった。

ある日突然、お母さんから告げられた一言。

「湊、あのね...。今年の冬、引っ越すことになったの」

もちろん驚いたけど、まだ、ここまでは飲み込めた。

でも、次の言葉が、どうしても飲み込めなかった。

「だから、渚ちゃんとも、早いうちに別れておいた方がいいよ...」

その時、俺はムカついてた。

だって、あんなに大好きな彼女と、たかが引っ越すだけで別れるなんて嫌だったから。

「は?なんでそんなことしないといけねぇんだよ...。遠距離でも、俺気持ち変わんないから」

俺はそう言ったけど、お母さんの話を聞いたら少し不安になった。