家出少女、拾われる



 状況は二日目になっても何も改善しなかった。
 ただ、お金が減っていくだけ。
 ストレスが増えるだけだった。


 私は、無力なのだろうか。
 結局私はあの家庭で、親に庇護されながらしか生きられないのだろうか。


 私は無力じゃないと思いたい。
 その時、見知った顔が隣を通り過ぎるのを感じた。
 クラスメイトの、秋原ミルクちゃんだ。


 私は咄嗟にフードを被った。

 ばれませんようにって思って。

 彼女は通り過ぎた。何もないかのように。


 幸いばれなかった。
 だけど、このままだといつばれるか分からない。