「花〜あんたどした〜実は結構キテたのか〜?」
アヤちゃんが私の頭を抱きしめる。
私は、シー!ってして、前のめりになる。アヤちゃんとタクヤも前のめりになって、私の言葉に耳をすませる。
「その、今、店に入って来た人が、私のす、」
「す?」
タクヤが聞き返す。
「好きな人……好きだった人……」
「好きな人だぁ〜!?」
アヤちゃんが大声で言うから慌ててその口を塞ぐ。
「えっあれ?女の子と来てんじゃん。」
タクヤが葉月の方をチラッと見る。
「そう……泣」
「イケメンじゃあん!」
アヤちゃんが小声で大きく言う。
「そんな偶然ある?」
タクヤが言う。
「ちょっとあんた声かけてきなよ!」
アヤちゃんが私に言う。
「むりだよ、だって女の子といるのに。」
小声で言う。
「関係ない関係ない!」
アヤちゃんが顔の前で大きく掌を振る。
「彼女なのかなぁ〜?」
タクヤがジロジロと葉月と女の子を見る。
「あんま見ないで!」
タクヤの肩をくいっと戻す。
「別にいいじゃん。」タクヤが笑う。



