3日間にも及んだ期末考査、最後の科目は数学である。
試験時間が半分くらい過ぎた頃。ダメだこりゃ、と思って顔を上げる。答案用紙は全然埋まっていない。あんなに必死に勉強したのに…。他の科目は人並みでも、数学だけはてんでだめだった。
もう足掻いてもどうせ変わらないし、いっそ寝ちゃおうかな〜と思った。


ふと葉月を見ると、寝ていた。


机の上に突っ伏して寝てる。


えぇ〜って息が漏れる。
諦めて寝ようとしている私とは違う。きっと葉月は余裕すぎて寝てる。


後日、テストが返却された。
私は25点で赤点&追試、葉月は87点で学年トップだった。


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放課後、教室で勉強してると、葉月が忘れ物をとりに来た。
「うわ勉強してる。えらいな~」
「明日追試だからさぁ」
ふうん、って言いながら、葉月が私の机を覗きこむ。




私のシャーペンが止まってることに気づいて、私の顔を見る。「これは、この公式を使って…」いつもみたいに教えてくれる。


これが私たちの日常だった。