お会計を済ませてる間、みんなで店の外で待つ。2軒目どこ行く〜?この前人いっぱいで入れなかったあそこは〜?なんて話をする。




梅雨が明けたあとの7月の夜。湿っぽい空気が肌に付き纏う。




ガラッて店の引き戸が開いて、「ありがとうございました〜!」ってお店の人の声がする。暖簾の間から男の人が出てくる。




その人の顔を見たとき、一瞬、時が止まった。




……え……。






少し大人っぽくなった……


「葉月…?」




私の言葉は、その人の耳に入ることなく地面に落ちる。


その人が、暖簾を手であげると、後から50代くらいの男性が店から出てくる。
目を合わせて、はにかむ。




絶対に、葉月だ。
私たちがいる方と反対方向に歩いて行った。