点滴が終わり、少しだけ体が軽くなった紗良は、ふわりとした感覚を感じながらベッドから起き上がる。
身体に流れる薬剤の効果で、少しずつだが楽になったようだ。熱が少し下がったことに安心感を覚える。
看護師が静かに片づけを始め、余計な音を立てずにスムーズに作業を進める。
処方された薬を手渡された紗良は、ゆっくりとそれを受け取ると、看護師に向かって小さな声でお礼を言った。
「ありがとうございました…」
看護師は穏やかな微笑みを浮かべ、軽く頷いてから部屋を後にする。
病室の扉の前には、すでに旗野が待機していて、次に向かうべき場所に目線を向けている。
その姿はいつも通り、冷静で無駄な動きが一切なく、何の不安も感じさせない。
旗野の存在に、紗良はどこかほっとした気持ちを抱えながら、彼に視線を向ける。
次に目をやると、橘が変わらず一定の距離感で立っていた。
その姿には、いつもの冷徹さと共に、何かを抑え込んでいるような不安げな空気も漂っている。
紗良は彼に向けて一度視線を投げたが、言葉を交わすことはなく、ただその場で目が合うだけだった。
「行きましょう」
旗野の声に引き戻されるように、紗良は一歩を踏み出す。
少しふらつく足取りだが、支えられることなく歩き出せるようになった自分に少し驚きながら、通用口に向かって進んでいく。
病院を出る時、外の空気が少しひんやりとしていて、彼女の顔に軽く触れる。
それが心地よく、無意識に深呼吸をする。
駐車場に向かう足取りが、少しずつ軽く感じられた。
今、紗良は、ふと感じる安心感を胸に、しっかりと歩いていく。
身体に流れる薬剤の効果で、少しずつだが楽になったようだ。熱が少し下がったことに安心感を覚える。
看護師が静かに片づけを始め、余計な音を立てずにスムーズに作業を進める。
処方された薬を手渡された紗良は、ゆっくりとそれを受け取ると、看護師に向かって小さな声でお礼を言った。
「ありがとうございました…」
看護師は穏やかな微笑みを浮かべ、軽く頷いてから部屋を後にする。
病室の扉の前には、すでに旗野が待機していて、次に向かうべき場所に目線を向けている。
その姿はいつも通り、冷静で無駄な動きが一切なく、何の不安も感じさせない。
旗野の存在に、紗良はどこかほっとした気持ちを抱えながら、彼に視線を向ける。
次に目をやると、橘が変わらず一定の距離感で立っていた。
その姿には、いつもの冷徹さと共に、何かを抑え込んでいるような不安げな空気も漂っている。
紗良は彼に向けて一度視線を投げたが、言葉を交わすことはなく、ただその場で目が合うだけだった。
「行きましょう」
旗野の声に引き戻されるように、紗良は一歩を踏み出す。
少しふらつく足取りだが、支えられることなく歩き出せるようになった自分に少し驚きながら、通用口に向かって進んでいく。
病院を出る時、外の空気が少しひんやりとしていて、彼女の顔に軽く触れる。
それが心地よく、無意識に深呼吸をする。
駐車場に向かう足取りが、少しずつ軽く感じられた。
今、紗良は、ふと感じる安心感を胸に、しっかりと歩いていく。



