案内された病室は、やはりどこかホテルの一室を思わせるような静かな佇まいだった。
ふかふかのカーペットに間接照明、壁際には観葉植物が控えめに置かれ、無機質な病院の印象とは程遠い。
紗良が足を踏み入れると、すでに旗野が中にいて、カーテンの隙間から外の様子を鋭い目つきで見守っていた。
橘は変わらず、すぐ背後にぴったりとついており、その存在が不思議と心強くもあった。
看護師がやわらかな声で「こちらに横になってくださいね」と言い、紗良はベッドへとゆっくり体を預けた。
横になる瞬間、ふと不安が込み上げる。
「あの……注射、ちょっと苦手で……。子どもみたいで、ごめんなさい」
思わずぽつりと漏れた言葉に、看護師はふわりと笑った。
「大丈夫ですよ。この病院で3本の指に入る“ゴッドハンド”だから、任せてください」
その軽やかな言葉に、緊張感で張りつめていた空気が、ほんの少しだけやわらいだ。
紗良も小さく笑みを浮かべて、目を閉じる。
注射への不安はまだ完全には消えないけれど、この雰囲気の中なら、少しだけ強くなれる気がした。
ふかふかのカーペットに間接照明、壁際には観葉植物が控えめに置かれ、無機質な病院の印象とは程遠い。
紗良が足を踏み入れると、すでに旗野が中にいて、カーテンの隙間から外の様子を鋭い目つきで見守っていた。
橘は変わらず、すぐ背後にぴったりとついており、その存在が不思議と心強くもあった。
看護師がやわらかな声で「こちらに横になってくださいね」と言い、紗良はベッドへとゆっくり体を預けた。
横になる瞬間、ふと不安が込み上げる。
「あの……注射、ちょっと苦手で……。子どもみたいで、ごめんなさい」
思わずぽつりと漏れた言葉に、看護師はふわりと笑った。
「大丈夫ですよ。この病院で3本の指に入る“ゴッドハンド”だから、任せてください」
その軽やかな言葉に、緊張感で張りつめていた空気が、ほんの少しだけやわらいだ。
紗良も小さく笑みを浮かべて、目を閉じる。
注射への不安はまだ完全には消えないけれど、この雰囲気の中なら、少しだけ強くなれる気がした。



