お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

河田がすぐにこちらに気づき、柔らかな声で言った。

「ゴミ出しですか? ちょうど交代のタイミングなので、僕が行ってきますよ」

優しい口調に、紗良は一瞬ためらう。自分で出すつもりだった。けれど、この体調でフラつきながら行く方が、よほど迷惑かもしれない。

「……ごめんなさい。頼めますか?」

そう言って、申し訳なさそうに目を伏せながら、そっとゴミ袋を差し出す。
河田はにっこりと笑い、迷いなくその袋を受け取った。

「全然、大丈夫ですよ」

その言葉に少しだけ救われる思いがして、紗良は小さく頭を下げる。
河田は受け取った袋を片手に、橘と一瞬目を合わせて小さく頷くと、静かにその場を後にした。

玄関には、橘と紗良だけが残った。
朝の空気が、ほんの少し静まり返っていた。