お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

紗良が机に突っ伏して目を閉じたのを確認し、橘は静かにその様子を見守る。
意識は警戒態勢に置いたまま、ふと頭の中で独りごちる。

──会社で仮眠を取る対象者なんて初めてだ。

まあ、寝るなと言うほうが無理か。
あの目の充血、浮腫んだ顔。朝見た時からまともに寝ていないのは一目瞭然だった。

……だが、それにしても。

こんな無防備な姿を見せるのは、少しは信頼してくれているということか。

まさか最初、あんなに距離を取っていた人に、会社で「仮眠します」なんて言われる日が来るとは。

橘はわずかに眉をひそめ、気配を消すようにして立ち位置を微調整する。
寝顔をじっと見るのは職務から外れる──そう自制しつつも、どうしても目が離せなかった。

──まったく、油断しすぎです。一ノ瀬さん。

誰も襲ってこないとは限らないでしょう?
……だから、俺がここにいる。