午後、紗良は職場に連絡を入れ、急遽その日一日を休みにすると伝えた。
橘と松浦が付き添い、買い物へと出かけることになる。
まず向かったのは、最寄りの100円ショップ。
キッチン周りの細々したものや収納用品を選び、そのままドラッグストアで日用品と化粧品、スーパーで冷蔵庫を満たすための食材を買い込んだ。
平日の午後の人通りは少なく、橘と松浦の目は常に周囲を警戒していたが、紗良自身は久しぶりの買い物に少し気持ちがほぐれていた。
それでも、無意識に足早になっていたのかもしれない。
「紗良さん、急がなくて大丈夫ですよ」
松浦が穏やかに声をかけてくると、紗良ははっとして小さく頷いた。
「すみません、なんだか、早く済ませなきゃって思ってしまって」
「外に出るだけでも、十分頑張ってますから。焦らずにいきましょうね」
そう言われて、ふっと肩の力が抜けた。
買い物袋は思ったよりも多くなった。
両手にバランスよく袋を提げ、車へと向かう道すがら、ふと紗良は笑い声を漏らした。
「どうしました?」と、松浦が後部座席のドアを開けながら振り返る。
「いえ……」
紗良は荷物を一旦座席に置きながら、
「こんなに背が高くて強そうな人が2人もついてるのに、荷物は全部私が持ってるのが、なんだかおかしくて」
松浦もつられて笑った。
「ああ、それはですね。SPは常に両手が空いていなければいけない決まりなんです。万が一のとき、すぐに動けるように。対象者を守る以外では、基本的に手には何も持たないんですよ」
「なるほど……でも、ちょっとぐらい持ってくれてもって思いましたけどね」
紗良は笑いながらシートベルトを締めた。
運転席に乗り込んだ橘は何も言わなかったが、わずかに口角を緩めていた。
紗良の隣に座った松浦が顔をほころばせながら言った。
「次は、荷物を少なくする工夫を一緒に考えましょうか」
「はい、ぜひ」
車は穏やかな午後の日差しの中、静かに走り出した。
橘と松浦が付き添い、買い物へと出かけることになる。
まず向かったのは、最寄りの100円ショップ。
キッチン周りの細々したものや収納用品を選び、そのままドラッグストアで日用品と化粧品、スーパーで冷蔵庫を満たすための食材を買い込んだ。
平日の午後の人通りは少なく、橘と松浦の目は常に周囲を警戒していたが、紗良自身は久しぶりの買い物に少し気持ちがほぐれていた。
それでも、無意識に足早になっていたのかもしれない。
「紗良さん、急がなくて大丈夫ですよ」
松浦が穏やかに声をかけてくると、紗良ははっとして小さく頷いた。
「すみません、なんだか、早く済ませなきゃって思ってしまって」
「外に出るだけでも、十分頑張ってますから。焦らずにいきましょうね」
そう言われて、ふっと肩の力が抜けた。
買い物袋は思ったよりも多くなった。
両手にバランスよく袋を提げ、車へと向かう道すがら、ふと紗良は笑い声を漏らした。
「どうしました?」と、松浦が後部座席のドアを開けながら振り返る。
「いえ……」
紗良は荷物を一旦座席に置きながら、
「こんなに背が高くて強そうな人が2人もついてるのに、荷物は全部私が持ってるのが、なんだかおかしくて」
松浦もつられて笑った。
「ああ、それはですね。SPは常に両手が空いていなければいけない決まりなんです。万が一のとき、すぐに動けるように。対象者を守る以外では、基本的に手には何も持たないんですよ」
「なるほど……でも、ちょっとぐらい持ってくれてもって思いましたけどね」
紗良は笑いながらシートベルトを締めた。
運転席に乗り込んだ橘は何も言わなかったが、わずかに口角を緩めていた。
紗良の隣に座った松浦が顔をほころばせながら言った。
「次は、荷物を少なくする工夫を一緒に考えましょうか」
「はい、ぜひ」
車は穏やかな午後の日差しの中、静かに走り出した。



