お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

夏の陽射しがカーテンの隙間から差し込み、部屋の中をゆるやかに明るくしていた。
冷房の効いた空間に、甘く香ばしいバターとメープルの香りがふんわりと漂っている。

キッチンでは、航太がフライパンを操りながら
「焦がさないように、じっくりね」と呟き、
最後の一枚をふわっと皿に乗せた。

「フレンチトーストって、こんなに丁寧に作るもんだったんだ……」

テーブル越しに見つめる紗良が、感心したように呟く。

「手を抜けない性格だからね」

「わたしが作るより絶対に上手……」

「うん、それは前から知ってる」

「はいはい、食べたら洗い物するね」

そう返しつつも、紗良の頬はふにっと緩んでいた。