出社初日とは思えないほど、紗良のもとには次々と社員たちが相談に訪れていた。
「一ノ瀬さん、この資料の優先順位、確認していただけますか?」
「すみません、来週の官庁ヒアリング、予算項目の整合性が気になっていて……」
「一ノ瀬さん! 例のNPO関連の報告書、締切今日ですよね!?」
午前中のうちに、紗良のデスクには資料が山のように積まれていた。
だが、彼女は慌てることなく、淡々と処理を進めていく。
「これ、議事録と齟齬があるから、担当部署に確認入れておいて。連絡先はここ」
「ヒアリング資料はこの順で構成を変えて。統計の出典は、最新の年度版にしてね」
「NPO関連の件は私が引き取ります。進捗が分かる資料を集めて会議かけ直すので、それまでに見通しを立てておいてください」
冷静で的確な指示が飛ぶたび、社員たちの表情に安心の色が戻る。
「やっぱり一ノ瀬さんがいると違うな……」
そんな声が、自然と社内のあちこちから聞こえてくる。
昼もろくに取れず、立ったまま報告を受けながらサンドイッチをかじる姿すら、彼女の“頼られる”存在感を象徴していた。
岡島の抜けた穴を、自分なりのやり方で埋めながら、紗良は再び“ここ”に立っていた。
「一ノ瀬さん、この資料の優先順位、確認していただけますか?」
「すみません、来週の官庁ヒアリング、予算項目の整合性が気になっていて……」
「一ノ瀬さん! 例のNPO関連の報告書、締切今日ですよね!?」
午前中のうちに、紗良のデスクには資料が山のように積まれていた。
だが、彼女は慌てることなく、淡々と処理を進めていく。
「これ、議事録と齟齬があるから、担当部署に確認入れておいて。連絡先はここ」
「ヒアリング資料はこの順で構成を変えて。統計の出典は、最新の年度版にしてね」
「NPO関連の件は私が引き取ります。進捗が分かる資料を集めて会議かけ直すので、それまでに見通しを立てておいてください」
冷静で的確な指示が飛ぶたび、社員たちの表情に安心の色が戻る。
「やっぱり一ノ瀬さんがいると違うな……」
そんな声が、自然と社内のあちこちから聞こえてくる。
昼もろくに取れず、立ったまま報告を受けながらサンドイッチをかじる姿すら、彼女の“頼られる”存在感を象徴していた。
岡島の抜けた穴を、自分なりのやり方で埋めながら、紗良は再び“ここ”に立っていた。



