お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

公安はすぐに動いた。
岡島の証言と押収された端末の履歴から、「早川湊」の身元と通信記録が明らかになり、内偵が強化されていた彼の行動が、徐々に炙り出されていた。

湊の勤務先、そして住居にはすでに内々に令状が手配されていた。
午後、公安によって身柄が確保されたのは、彼がとある週刊誌の編集部から外へ出たタイミングだった。

「早川湊さんですね。警視庁公安部です。こちらの書類をご確認ください」

彼は最初こそ落ち着いていたが、提示された内容に目を通すうちに、明らかに顔色を変えた。

「これは……誤解だ。俺は……ただ、ネットに流れてた話を整理して……」

「では、その“ネットの断片”とやらを、どこで手に入れ、誰に提供したのか。詳しくお話を伺いましょう」

公安の職員の声は、冷静で揺るぎなかった。

そのまま湊は同行され、取り調べが始まる。



彼が無意識のうちに繋ぎ合わせた「情報」は、意外なほど内部事情に近く、それが特定のライターや報道関係者の手に渡り、株主総会前日の不可解な記事リークへと繋がっていた。

そして、そのリークの影には、ある“意図的な誘導”の存在も浮かび上がり始めていた——