一通りの仕事の話が終わり、タブレットを閉じながら高坂がふっと表情を引き締めた。
「それから、もうひとつ。紗良さんが株主総会に代理出席したことが、部外者に事前に知られていた件についてですが――現在、社内でも調査中です。加えて、公安部の捜査も入っています」
その言葉に、紗良は「まさか…」と息をのんで、無意識に手を止めた。
「誰かが……私の代理出席を、漏らしたってことですか?」
高坂は頷く。「あの件自体は機密事項ではありませんでしたが、事前に知っていたのはごく限られた人物だけです」
坂口が少し前かがみになって補足する。
「正直、そんな社内の内輪話、わざわざ社外に漏らす理由がないんです。それに、紗良さんの代理出席という形も、決まったのはギリギリでしたよね」
「確かに……」と、紗良は視線を落としながら思う。たった数人しか知らなかった話。それがなぜ漏れたのか。
高坂は声のトーンを抑えて続けた。
「今回、紗良さんがリモートで業務に復帰することも、知っているのは直属の部下である坂口さんを含む五名、そして私と竹下部長のみです。動向を把握されないよう、情報共有は最小限に。外部とのやり取りが必要な場合は、私か坂口が代行します」
その徹底ぶりに、紗良は思わず口元をゆるめた。
「高坂さんって……警護官顔負けの警戒心ですね。なんか、SPみたい」
冗談めかして言うと、高坂は少しだけ肩の力を抜いたように笑い、
「前職は総合警備保障におりましたので」
と、さらりと返した。
「あぁ……なるほど。すごく納得です」と紗良が返すと、橘と松浦もどこか感心したようにうなずいた。
「それから、もうひとつ。紗良さんが株主総会に代理出席したことが、部外者に事前に知られていた件についてですが――現在、社内でも調査中です。加えて、公安部の捜査も入っています」
その言葉に、紗良は「まさか…」と息をのんで、無意識に手を止めた。
「誰かが……私の代理出席を、漏らしたってことですか?」
高坂は頷く。「あの件自体は機密事項ではありませんでしたが、事前に知っていたのはごく限られた人物だけです」
坂口が少し前かがみになって補足する。
「正直、そんな社内の内輪話、わざわざ社外に漏らす理由がないんです。それに、紗良さんの代理出席という形も、決まったのはギリギリでしたよね」
「確かに……」と、紗良は視線を落としながら思う。たった数人しか知らなかった話。それがなぜ漏れたのか。
高坂は声のトーンを抑えて続けた。
「今回、紗良さんがリモートで業務に復帰することも、知っているのは直属の部下である坂口さんを含む五名、そして私と竹下部長のみです。動向を把握されないよう、情報共有は最小限に。外部とのやり取りが必要な場合は、私か坂口が代行します」
その徹底ぶりに、紗良は思わず口元をゆるめた。
「高坂さんって……警護官顔負けの警戒心ですね。なんか、SPみたい」
冗談めかして言うと、高坂は少しだけ肩の力を抜いたように笑い、
「前職は総合警備保障におりましたので」
と、さらりと返した。
「あぁ……なるほど。すごく納得です」と紗良が返すと、橘と松浦もどこか感心したようにうなずいた。



