お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

体調も回復してきた紗良のもとに、秘書の高坂と坂口が久々に顔を見せた。

通常、室内に入る警護官はひとりきり。しかし今日は、橘が紗良のすぐ後ろにぴたりと立ち、松浦は少し距離をとって壁際に。
さらに、座る場所まで細かく指示された高坂と坂口の背後には、河田が無言で控えている。

異様なほどの厳戒態勢に、部屋にはぴりぴりとした空気が漂った。

紗良は思わず苦笑する。

「ねぇ、2人とも。気にしないでって言っても……無理だよね、これは」
「でも、噛みついたりしないから。安心して」

冗談めかして言うと、高坂はふっと口元を緩めた。

「お元気そうで、安心しました」

けれど坂口は、姿勢を正したままピクリとも動かない。肩はカチコチ、目は挙動不審。

「……坂口さん?」

呼びかけても返事がないので、橘が小さく咳払いすると、彼女はようやく反応した。

「はいっ! あの……失礼します……!」

まるで面接に来た新人のような様子に、思わず紗良と高坂が目を合わせて笑ってしまった。