お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

翌朝、病室の前の廊下に、見慣れた黒スーツの姿が戻ってきた。

橘が一歩先に立ち、松浦、旗野、河田がそれぞれの配置に就く。病室の前に立った橘は、一瞬だけ中の様子を確認し、静かに扉を閉じた。

「異常なし。体調も安定しているようだな」と旗野が言う。

松浦が無線で詰所と連絡を取りつつ、淡々と周囲の巡回ルートの確認を行う。

「戻ってきたな……」河田が小さく呟いた。

「これが俺たちの仕事だ」と橘は短く応えた。その目はもう、迷いなく一点を見据えていた。

室内では、ベッドの上で紗良が微かに微笑んでいた。病室の外から伝わる空気に、いつもの安心感が戻ってきたのを、彼女の身体が先に感じ取っていたのだ。