お断りしたはずなのに、過保護なSPに溺愛されています

ドアが、勢いよく開く音がした。

「紗良さん!」

その声は――橘だった。

すぐに駆け寄ってきた気配と共に、ふわりと背中にぬくもりが触れる。
その温かさに、思わず体を預けるようにして傾くと、すぐさま橘の腕がしっかりと支えてくれた。

そして、次の瞬間には、彼の指先が自分の手首に軽く触れ、脈を確かめるように静かに圧をかけた。
その後、手はするすると首筋へ移り、柔らかく脈を測る。
さらに下瞼をそっと引いて瞳孔を確認する動作――すべてが迷いのない、流れるような手つきだった。

その指先の優しさと、的確な動きに、紗良の心は少しずつ落ち着いていった。
橘の香り、温度、そして「ここにいる」という確かな感覚が、浮ついていた身体に重心を取り戻させてくれる。

――ああ、やっぱり橘さんだ。

安心と同時に、今にも涙が溢れそうになるのを、紗良はぐっとこらえた。