「桜、満開だね。綺麗」 桃子はぽつりぽつりとしゃべってる。感情を彼女は表にあまり出さない。とてもおとなしい。声はかすかで、風が吹いたりすると聞き取れない時があった。 小さな頃から病弱で、お母さんが早くに亡くなったりしたのもあって、桃子はわたし以外の女子と、あまり喋らなくなった。 大学生の、彼女のお姉さんは外交的な性格なのに。対照的な姉妹だった。 わたしは、初潮を迎えて何日かは、お腹と頭が少し痛かった。幸い、もう終わったみたい。 だから、満開の桜を思い切り楽しめる。