桜の咲く時期、中学二年生のわたしの体も初潮を迎えた。
ママが昨晩、お赤飯を炊いてくれたの。わたしは、これから大人になるなんて、なんか嫌だなあ、という気持ちもある。でも、クラスの女子も続々と「きている」ようだし、ようやくわたしも「来た」なあ、嬉しいなあ、という気持ちもあった。
お赤飯のあとに、お店の和菓子、桜餅が、関東風と関西風と両方出てきた。
「売れ残ったものじゃないよ。親父さんがアユに作ったんだよ」
ママの言葉に、親父さんを見る。いかつい表情の親父さんは何も喋らない。お茶をのんびりとすすっていた。
親父さんの表情からは、その気持ちはわからない。でも、「わたしのために」和菓子を作ってくれるのはとても珍しいこと。
ママが昨晩、お赤飯を炊いてくれたの。わたしは、これから大人になるなんて、なんか嫌だなあ、という気持ちもある。でも、クラスの女子も続々と「きている」ようだし、ようやくわたしも「来た」なあ、嬉しいなあ、という気持ちもあった。
お赤飯のあとに、お店の和菓子、桜餅が、関東風と関西風と両方出てきた。
「売れ残ったものじゃないよ。親父さんがアユに作ったんだよ」
ママの言葉に、親父さんを見る。いかつい表情の親父さんは何も喋らない。お茶をのんびりとすすっていた。
親父さんの表情からは、その気持ちはわからない。でも、「わたしのために」和菓子を作ってくれるのはとても珍しいこと。



