人影はないし、もちろん車も走っていない。 けれど、建物は今朝見た通り、そっくりそのまま残っている。 私は、いつか見たSF映画のワンシーンを思い出していた。 数千年の時が経ったその街は、荒廃した建物だけが残り、 そこには生物の姿はもうなかった。 ただ、微かに昔そこで生活していた人間たちの温もりだけを残っていた。 当時、人間たちと楽しく過ごした日々の記憶を思い出しながら、 ロボットは人間を恋しく思うという哀愁漂うシーンである。