改札口にICカードを乱暴にかざして、凄まじい勢いで階段を走り下る。そして、その時たまたま滑り込んできた電車に飛び乗った。
平日の夕方だからか、電車には満員とはいかないけれどかなりの人がいて、話すのを少し躊躇する。
口元に手を当て、彼女の耳元でできるだけ小声で話す。
「そろそろ離せ」
「あ…ごめん」
彼女は俺の呼びかけにハッとして、やっと手を離してくれた。
心ここに在らずというか、混乱してるというか。
「いや、いいけどさ。あのおじさん、ほっといていいのか」
「べつに仲良いとか、そういうわけじゃないし。私とは無関係の人だから」
「それはそうだろうけど」
俺が小声で言うと、彼女も小声になって、周りの目を気にするように二人でコソコソと話す。
電車は特急だったらしく、何駅も通過して行く。
窓の外には、青々と広がる海と金色の砂浜。止まらずに、ただ海沿いをひたすら走り続けたさている。
窓の外の海は広大で何でも持ってるかのように見えるのにすごく孤独で、なんだか俺の目線のすぐ下にいる女の子みたいだと思った。
目線を下に移すと、好きな女の子が映った。
彼女もまた、俺と同じように窓の外の景色に目を奪われていた。
彼女は、この海をみて、何を思うのだろう。
彼女は不意に顔をあげて見上げる。
俺の視線とぶつかった。交差して、絡まって、離れない。
瞬間、ぷしゅうっと電車の扉が開く。その音に驚いて慌てて目を逸らす。
「というか、さっき記者さんに向かって何しようとしたの?まさか、殴ろうとしたとか言わないよね?」
気まずい空気の中、想良はゆっくり顔を上げて睨んだ。
「いや、利き手上げてヘラヘラしたやつ睨んでたら、殴る以外のことないだろ」
睨んでくる想良をにやりと見下した。
そんな俺を見て、呆れていると思わせるように大袈裟なため息をついた。
「ああ、ほんと呆れた。箱入りお坊ちゃまが人の事殴れるわけないでしょ?」
「はあ?出来るかもしれないだろ?俺、殴る気満々だったしな」
「正当化しないでくれる?なにも立派な事じゃないんですけど」
「わかってるよ、そんなこと」
俺のムキになった言い方に、彼女はさらに深くため息を着いた。
「分かってない。あそこで君があのおじさんのこと殴ってたらどうなってたか分かる?私なんか無視で、君のことだけ記事に書かれて、きっと君のお家のことも晒されて、お父さんにも迷惑かかるんだよ!なんでそれがわかんないのよ!」
彼女は、さっきまでの小さな声が段々と大きくなって、電車内に声が響いた。
近くにいた人も、同じ車両にいた人たちも、不審がって俺たちを見ているのがわかる。
周りの人は俺らについてコソコソとなにか話している。
彼女はそれを察したのか、俯いて、髪で顔を覆うようにして隠している。
だんだんと周りにいた人達は、こっそりとスマホで写真を撮ったり、不意にスマホを触ったりと不自然な動きをし始める。
いくらうるさくても、写真まで撮るか?
そのとき、ちょうど次の駅に着いて、息苦しい車内に外気が入り込む。
何となくこのままではまずいと思って、今度は俺が彼女の細い腕を掴んで、電車を出てそのまま改札を出た。
平日の夕方だからか、電車には満員とはいかないけれどかなりの人がいて、話すのを少し躊躇する。
口元に手を当て、彼女の耳元でできるだけ小声で話す。
「そろそろ離せ」
「あ…ごめん」
彼女は俺の呼びかけにハッとして、やっと手を離してくれた。
心ここに在らずというか、混乱してるというか。
「いや、いいけどさ。あのおじさん、ほっといていいのか」
「べつに仲良いとか、そういうわけじゃないし。私とは無関係の人だから」
「それはそうだろうけど」
俺が小声で言うと、彼女も小声になって、周りの目を気にするように二人でコソコソと話す。
電車は特急だったらしく、何駅も通過して行く。
窓の外には、青々と広がる海と金色の砂浜。止まらずに、ただ海沿いをひたすら走り続けたさている。
窓の外の海は広大で何でも持ってるかのように見えるのにすごく孤独で、なんだか俺の目線のすぐ下にいる女の子みたいだと思った。
目線を下に移すと、好きな女の子が映った。
彼女もまた、俺と同じように窓の外の景色に目を奪われていた。
彼女は、この海をみて、何を思うのだろう。
彼女は不意に顔をあげて見上げる。
俺の視線とぶつかった。交差して、絡まって、離れない。
瞬間、ぷしゅうっと電車の扉が開く。その音に驚いて慌てて目を逸らす。
「というか、さっき記者さんに向かって何しようとしたの?まさか、殴ろうとしたとか言わないよね?」
気まずい空気の中、想良はゆっくり顔を上げて睨んだ。
「いや、利き手上げてヘラヘラしたやつ睨んでたら、殴る以外のことないだろ」
睨んでくる想良をにやりと見下した。
そんな俺を見て、呆れていると思わせるように大袈裟なため息をついた。
「ああ、ほんと呆れた。箱入りお坊ちゃまが人の事殴れるわけないでしょ?」
「はあ?出来るかもしれないだろ?俺、殴る気満々だったしな」
「正当化しないでくれる?なにも立派な事じゃないんですけど」
「わかってるよ、そんなこと」
俺のムキになった言い方に、彼女はさらに深くため息を着いた。
「分かってない。あそこで君があのおじさんのこと殴ってたらどうなってたか分かる?私なんか無視で、君のことだけ記事に書かれて、きっと君のお家のことも晒されて、お父さんにも迷惑かかるんだよ!なんでそれがわかんないのよ!」
彼女は、さっきまでの小さな声が段々と大きくなって、電車内に声が響いた。
近くにいた人も、同じ車両にいた人たちも、不審がって俺たちを見ているのがわかる。
周りの人は俺らについてコソコソとなにか話している。
彼女はそれを察したのか、俯いて、髪で顔を覆うようにして隠している。
だんだんと周りにいた人達は、こっそりとスマホで写真を撮ったり、不意にスマホを触ったりと不自然な動きをし始める。
いくらうるさくても、写真まで撮るか?
そのとき、ちょうど次の駅に着いて、息苦しい車内に外気が入り込む。
何となくこのままではまずいと思って、今度は俺が彼女の細い腕を掴んで、電車を出てそのまま改札を出た。

