新年を迎えた朝。
外は凛とした空気が漂い、吐く息が白く溶けていく。けれど、美香奈と涼介の胸の中には、穏やかで柔らかな陽だまりのような気持ちが満ちていた。
今年は、心から晴れやかな気持ちで迎えたお正月。
ふたりで過ごす初めての新年だった。
涼介の実家では、恵が腕をふるった豪華なおせちが色とりどりの重箱に並び、家中にだしの香りと温かな笑い声が広がっていた。
弘信が勧めるまま、涼介も美香奈も箸を進め、ひと品ひと品に「美味しい」と自然に声がこぼれた。
食事が一段落したところで、美香奈は涼介の父・弘信に向き直った。
「改めて……フォトウェディングのときは、ありがとうございました。とても素敵な一日になりました」
美香奈が少し緊張しながらも、しっかりとお礼を述べると、弘信は穏やかな目を細めた。
「うん、ふたりとも、本当に良い顔をしてた。ああいうのを見ると、こっちまで幸せになるよ」
涼介も「親父が、写真見てにやにやしてたの、俺知ってるからな」とからかうと、弘信は「うるさい」と言いつつも、どこか嬉しそうに笑った。
外は凛とした空気が漂い、吐く息が白く溶けていく。けれど、美香奈と涼介の胸の中には、穏やかで柔らかな陽だまりのような気持ちが満ちていた。
今年は、心から晴れやかな気持ちで迎えたお正月。
ふたりで過ごす初めての新年だった。
涼介の実家では、恵が腕をふるった豪華なおせちが色とりどりの重箱に並び、家中にだしの香りと温かな笑い声が広がっていた。
弘信が勧めるまま、涼介も美香奈も箸を進め、ひと品ひと品に「美味しい」と自然に声がこぼれた。
食事が一段落したところで、美香奈は涼介の父・弘信に向き直った。
「改めて……フォトウェディングのときは、ありがとうございました。とても素敵な一日になりました」
美香奈が少し緊張しながらも、しっかりとお礼を述べると、弘信は穏やかな目を細めた。
「うん、ふたりとも、本当に良い顔をしてた。ああいうのを見ると、こっちまで幸せになるよ」
涼介も「親父が、写真見てにやにやしてたの、俺知ってるからな」とからかうと、弘信は「うるさい」と言いつつも、どこか嬉しそうに笑った。



