【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

ある日の午後、美香奈はふとスマートフォンの画面に目を落とし、着信履歴に気がついた。
発信元は、警察署の生活安全課。
胸の奥が、少しだけざわめく。

(何だろう……?)

不安と好奇心が入り混じる中、思い切って折り返しの電話をかけた。

すぐに繋がり、落ち着いた男性の声が応答した。

「警察署、生活安全課の菅沼です。ご連絡ありがとうございます。」

「美香奈です。先ほど着信をいただいたのですが……」

名乗ると、菅沼と名乗った警察官は、静かに本題を切り出した。

「事件解決に関するご連絡です。昨年2月下旬に発生した、傷害事件および不法侵入の件について……被疑者を、該当するすべての罪状で検挙いたしました。これから裁判が始まりますので、そのご案内となります。」

美香奈は、電話口で小さく息を呑んだ。
心のどこかで、もう終わったものと思いたかった出来事――。
だが、現実は静かに、確かに動いていた。