【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

美香奈が交番を後にすると、長谷川は手にした資料を一度見直し、すぐさま業務モードへと切り替えた。

「山本さん、ちょっといいですか。」
カウンター奥にいた若い巡査を呼び寄せ、必要な事項を簡潔に伝える。

「今夜から青葉台三丁目の巡回ルートに、新しくこの物件を組み込みます。特に夜間、パトロールの頻度を上げてください。対象者の生活時間帯に合わせたほうが効果的です。」

「了解しました!」
巡査がメモを取りながら頷く。
その様子を見て、長谷川はさらに補足する。

「不審者や車両がいないかも重点的に確認を。小さな異変でもすぐに報告。万一のときは即応できるよう、共有体制を整えておいて。」

端的でありながら、押さえるべき点は逃さない。
若い巡査たちも、長谷川の指示には素直に耳を傾けていた。

一段落つくと、長谷川は無線で本署にも連絡を入れた。
支援センターと交番が連携して進めるDV案件であること、巡回強化の開始、住民票秘匿の扱いに関する確認事項などを、必要な順序で、過不足なく報告する。

「──以上、対象者の保護に万全を期す体制を取ります。」