【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

翌日、事務所の休憩室。

美咲がホットコーヒーを両手で持ちながら、顔を赤くしてぼやく。

「もう……康太、全国デビューしちゃったよ……」

「でもさ、あれめっちゃ優しそうだったよ? 逆に好感度上がってる!」

と、美香奈がフォローすると、

美咲は、
「そ、そうかな……?」と照れたように笑った。

 

そこへ、美咲のスマホがバイブレーション。

通知を確認すると、
《仕事終わった。今から帰る。ケーキ買った》
の文字。

 

***

夜、美咲と康太の新居。

康太は大きなケーキ箱を抱えて帰ってきた。

「美咲……ごめんね。
俺、またやらかしちゃった……」

玄関先でぺこりと頭を下げる康太に、
美咲はぷっと吹き出した。

「もう、可愛いなぁ……康太は」

「えっ……?」

ぽかんとする康太をよそに、
美咲は箱を受け取ると、

「ほら、お風呂先に入ってきて。
その間にお茶淹れて、ケーキ冷やしとくから」

と、すっかり“お嫁さん”の顔。

 
────ふたりで並んで食べた苺ショートは、とても甘くて。

美咲がケーキを頬張りながら、
「誰が何と言おうと……康太はかっこいいよ」
と小声で告げると、

康太は耳まで真っ赤にして、
「……そ、そう?」
と目を泳がせた。

 

美咲は、ケーキのフォークを置くと、
康太の手をそっと取る。

「好きだよ、康太。
ずっと、だいすき。」

康太は真っ赤になりながら、
不器用に微笑み、そっと美咲を引き寄せた。

「俺も。世界一、愛してる」

 

ふたりは寄り添って、
静かに甘い時間を過ごす。

リビングに、幸せの光が満ちていた。

 

***

そして、次の日。


事務所で美咲から惚気話を聞かされた美香奈は、
「……幸せって、こういうのを言うんだなぁ」
と、あたたかい気持ちで胸を満たされるのだった。