【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

夜。
美咲が帰ったあとのリビングは、ほのかに温かい静けさに包まれていた。



涼介はお風呂を済ませ、
濡れた髪を無造作にタオルで拭きながら戻ってきた。

パジャマ姿の美香奈は、
ソファの上でふんわりと毛布にくるまっている。

 

「寒くない?」

涼介がそっと腰を下ろし、美香奈の頬に手を当てる。

「うん、平気」
美香奈は小さく微笑み、涼介の手にそっと自分の手を重ねた。

 

そのまま、しばらく目を見つめ合う。

柔らかい静寂。

言葉はないのに、胸いっぱいに想いが溢れていく。

 

「……ねぇ」
美香奈が、そっと囁くように言った。

「今日、楽しかった。
美咲ともたくさん惚気話して、
涼介くんの優しい自慢もたくさんできたから」

 
涼介はふわりと笑い、
美香奈の毛布の中に手を差し入れて、彼女の手を握った。

「俺は恥ずかしかったけどな」

 

ぬくもりが、指先からじんわりと伝わってくる。

 

美香奈は、少しだけ体を起こして、涼介の肩に頭を預けた。
涼介はそっと腕を伸ばして、美香奈の背中を抱き寄せる。

 

毛布越しに、互いの心臓の音が響き合う。

 

「……好きだよ」

涼介の低い声が、耳元でふわりと囁かれた。

 

美香奈はふにゃりと微笑み、
涼介の胸に顔を埋めた。

 

「私も、大好き」

 

小さな声で返した美香奈を、
涼介はまるごと抱きしめた。

 

ぬくもりと、柔らかい光に包まれながら。

ふたりは、未来へと続く夜を、
静かに、深く、共有していた。