【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

玄関のドアが、カチャリと音を立てた。

「ただいまー……」

涼介が、スーツ姿で戻ってきた。

 
美香奈と美咲は目を合わせ、ニヤニヤと笑う。

 
「おかえりなさい、涼介くん」
美香奈がソファから立ち上がって迎える。

 
「うん、ただいま」
涼介はネクタイを緩めながら、
ふわっと微笑み――
すぐに、2人の様子に違和感を覚えた。

 
「……なに、その顔」

「別に~?」
美香奈はくすくすと笑いながら、涼介のカバンを受け取った。

 

美香奈はニヤリとしながら囁く。
「美咲あれ、あれ聞いてみなよ!」

 

美香奈はいたずらっぽく涼介を見上げる。

 
「涼介さんって……
ベランダでスズメと格闘してたって、ほんとですか?」

 
涼介は、ビクッと肩を震わせた。

 
「……誰に聞いたんですか?」

「美咲に、今日話したんだもん」
美香奈は悪戯っぽく笑う。

 
「それにね、スーパーでカゴ落とした子に、
無言で拾って渡してたって話も――」

 
涼介は顔を真っ赤にしながら、
美香奈の頭にぽふんと手を置いた。

 
「……しゃべりすぎ」

「だって、かわいいんだもん」
美香奈は涼介の腕に抱きつく。

 
「ほっこりエピソード、いっぱい出てきたよね~?」
美咲が笑うと、涼介は照れ隠しのように溜息をついた。

 
「……俺だって、別に、
そんなほっこりしてるつもりないんだけどな」

「そういうところが、最高に可愛いんだよ」
美香奈は腕の中から顔を上げて、涼介を見つめた。

 

涼介は観念したように、美香奈の髪を優しく撫でる。

「……もう、好きにしてくれ」

 

そんな彼の耳まで、ほんのり赤く染まっていた。

 
美香奈は、心の底から愛おしさが溢れるのを感じながら、
そっと涼介の胸に顔を埋めた。