【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

真木は静かにグラスを傾けながら、まるで父のような眼差しを注ぐ。
「美香奈さん、神谷くん。仕事も人生も、丁寧に築いてきたあなただからこそ、こんな日が来たんだと思います。心から、おめでとう」

普段は厳格な表情を崩さない篠宮も、今日ばかりは感情を抑えきれず目尻を緩めていた。
「神谷、美香奈さん。……心から祝福する。2人で、いい家庭を築いてくれ」

美香奈は、そのひと言ひと言に、まるで宝石のように胸を打たれていた。
ゆっくりと涼介に視線を向けると、彼も優しく目を細めて美香奈を見つめ返す。

「……今日という日は、一生忘れられません。こんなに素敵なサプライズを、本当にありがとう」

美香奈の声は少し震えていたが、確かに感謝と幸せが滲んでいた。

涼介がグラスを持ち上げ、美香奈に一度目配せをしてから、皆へと声をかけた。
「僕たちと、ここにいる皆さんの幸せが、ずっと続きますように。――乾杯」

「乾杯!」

グラスが澄んだ音を奏で、会場にやわらかな笑い声が満ちる。
その夜、美香奈は、自分の人生が確かに誰かと繋がっていることを、深く実感していた。

この温かな時間は、未来へと続く確かな希望の光だった。