「名前、何だっけ?」
はあ?
さっき名乗ったばかりなのに、もう忘れたの?
「朝倉舞です」
「ああ、舞ちゃんね」
「朝倉……舞です」
「解ってるさ、舞ちゃんだろ?」
私が苗字を強調して言い直したのは、”朝倉さん”とか、”朝倉君”って呼んでほしいからなのに、社長にはそれが通じなかった。
「舞ちゃん、こっち向いてよ」
私は心の中で『嫌です』と言い、前を向いたままだった。社長に顔を向けると、何かされそうな予感がしたから。
すると、社長に顎を抓まれ、グイっと顔を向けられてしまった。
「ん……よく見れば、可愛いな」
「やめてください!」
私は、すぐさま社長の手を振り払ったのだけど、内心では”可愛い”と言われた事が、ちょっとだけ嬉しかった。こんな状況なのに。たぶん、男の人から”可愛い”なんて、言われ慣れてないからだと思うけど。
それと、私は気付いてしまった。社長の顔が、すごく美形な事に。綺麗過ぎて、まるで整形した顔のようだと思った。実際に、そうなのかもだけど。
「付き合ってやろうか?」
え?
その言葉の意味をすぐには飲み込めず、私が呆然としていたら、また社長に顎を抓まれてしまった。そして、整い過ぎの社長の顔が、すーっと私の顔に近付いて来た。
私、キスされるんだ……
はあ?
さっき名乗ったばかりなのに、もう忘れたの?
「朝倉舞です」
「ああ、舞ちゃんね」
「朝倉……舞です」
「解ってるさ、舞ちゃんだろ?」
私が苗字を強調して言い直したのは、”朝倉さん”とか、”朝倉君”って呼んでほしいからなのに、社長にはそれが通じなかった。
「舞ちゃん、こっち向いてよ」
私は心の中で『嫌です』と言い、前を向いたままだった。社長に顔を向けると、何かされそうな予感がしたから。
すると、社長に顎を抓まれ、グイっと顔を向けられてしまった。
「ん……よく見れば、可愛いな」
「やめてください!」
私は、すぐさま社長の手を振り払ったのだけど、内心では”可愛い”と言われた事が、ちょっとだけ嬉しかった。こんな状況なのに。たぶん、男の人から”可愛い”なんて、言われ慣れてないからだと思うけど。
それと、私は気付いてしまった。社長の顔が、すごく美形な事に。綺麗過ぎて、まるで整形した顔のようだと思った。実際に、そうなのかもだけど。
「付き合ってやろうか?」
え?
その言葉の意味をすぐには飲み込めず、私が呆然としていたら、また社長に顎を抓まれてしまった。そして、整い過ぎの社長の顔が、すーっと私の顔に近付いて来た。
私、キスされるんだ……



