チャラい社長は私が教育して差し上げます!

テーブルの上、廃油が入った缶の横に、未開封のブランデーと空のジョッキを置き、その後ろに榊さんと斯波さんに立ってもらい、私は二人が中央に収まるようスマホを構えた。なお、台詞は事前に4人で相談して決めていた。

まずは榊さんの台詞から撮影開始。

「えー、我々の目標は、この廃油でのエンジン始動ですが、残念ながら実現に至っておりません。ですが、ブランデーによるエンジン始動までは実現しています。今からそれを実演したいと思います」

うわあ、長い台詞なのに、良く言えたなあ。

次は斯波さんの台詞だ。正直、ちょっと不安。

「これはアルコール濃度40パーセントのブランデーっす。塾年度数はナポレオンっす。これをジョッキに移すっす」

もしこの段階で斯波さんが台詞に失敗したら、私は「カット!」と言って撮り直すはずだったけど、斯波さんはクセが強いもののちゃんと台詞が言えたので、そのまま撮影を続行した。

斯波さんはブランデーの瓶の封を切り、蓋を開けてジョッキにドボドボと全て注ぎ終え、そのジョッキを持って、横に待機した試作車のアラレちゃんの所まで歩いて行った。

私もスマホを構えたまま歩いた。たぶん画面はぶれてしまったと思うけど、このシーンは不正と思われないよう一気に撮りたかった。