チャラい社長は私が教育して差し上げます!

そうだ、時系列順に話そう。その方が話しやすいから。

「昨日は会社の帰りにスーパーに寄ってもらって、調味料や食材をいーっぱい買い込んだのね」

「うんうん、それで?」

「私のアパートから引き取った荷物があったり、デパートで買ってもらった物もあったから、部屋まで運ぶのが大変で、二人で何往復もしたの」

「それは大変だったわね?」

「でね、私は肉じゃがを作ったんだけど、社長は『絶品だ』って言ってくれて、私はすごく嬉しかった」

「それは良かったけど、私、もしかしてノロケ話を聞かされるわけ?」

「違う違う、そうじゃないの」

私ったら、話のポイントを間違えたみたい。えーっと、そうそう、

「社長と一緒に寝たんだけど、いきなり社長に襲われたの」

「今度は下ネタ?」
「じゃなくて……」

そこで店員さんがワインを持って来てくれたので、コンとグラスを合わせて乾杯した。ちなみにこのお店では”カチン”ではなく”コン”になる。残念な事に。

「私は拒絶したの。『そんな女じゃありません』って言って」

「それって、どういう事?」

「社長はね、『四股じゃダメか?』って言ったんだもん。つまり社長には彼女が3人いるわけ」

「あらま。嘘でしょ?」

やっと恵子が濃い反応をしてくれた。

「今頃社長は、その3人と乱交してるのよ」

「ちょ、声大きいって。人に聞かれたらどうするのよ?」

ふと見ると、女性の店員さんがお料理を持って来てくれたのだけど、嫌そうな顔をしていた。もしかして、聞こえちゃったのかも。

「いくらあの神徳さんでも、そんな事するとは思えないけどなあ」

恵子はサラダを2枚の取り皿に分けながらそう言った。

「他に4人でする事ってあるの? 麻雀とか?」

「それはそうだけどさ、神徳さんは舞に何て言ったのか、なるべく正確に話してくれない?」