この件名から察するに、社長がごく最近、『明美ちゃん』にメールを送った事は明らかだ。
そのメールを未読のまま『明美ちゃん』フォルダーへ移動した時、『真由美ちゃん』という新しいフォルダが出来ている事に私は気付いた。
この『真由美ちゃん』こそが、今まで謎だった3人目の女性で間違いないと思う。そしてそのフォルダにはメールが1件だけ存在し、その件名は、やはり社長がごく最近、『真由美ちゃん』にメールを送った事が推測されるものだった。
もしやと思い、『紗耶香ちゃん』フォルダを開いて見たら、そこにも同様のメールが最後尾にあった。おそらく社長は、昨夜から今朝に掛けて、内線携帯で3人の女性とメールの送受信を行った、という事で間違いないと思う。
社長の真意は何なのだろう。ヤラせてあげない私への当て付けだろうか。あるいは自らの欲求を満たすべく、彼女達に会いたくなったのだろうか。おそらく、その両方だろうと私は思う。
私は怒りと悔しさで、涙が出そうだった。私は単なる社長の秘書で、ただの同居人。そんな私に、彼女達に嫉妬する権利は1ミリも無い事は解っている。解ってはいるのだけど、心に渦巻くこのどす黒い感情を、私は抑える事が出来なかった。



