その人物は、白いスラックスに爪先が尖った茶色い皮靴を履き、幾何学模様の派手な開襟シャツを着ており、髪は金色で緩くウェーブが掛かり、ティアドロップ型のサングラスを掛けている。
良く言えばホスト風。悪く言えばチンピラ風な容姿で、どちらかと言えば後者に近いと思う。
そのチンピラ風の男性は、窓を背にして大きな机に脚を組んで腰掛けており、その脚を解いてこちらに向かって歩いて来た。
私は、今すぐにでも逃げ出したい心境だったのだけど、それをぐっと堪えて立ち竦んでいた。すると、思ったより長身のその男性は、私のすぐ前で立ち止まり、私の顔を見下ろしながら、
「ふーん、この子が俺の担当さん?」と言い、
「左様でございます」
と課長が答えた。という事は……
えーっ、嘘でしょ!?
この人が、神徳直哉社長なの!? 信じられない!
私が目を丸くしていると、課長に肘で小突かれた。ああ、課長が言った驚くなとは、正にこの事だったんだわ。私は我に返り、
「わ、私は、しゃ、社長の担当をさせていただく、秘書課の朝倉舞と申します。どうぞ、よろしくお願いします」
と、噛み噛みではあるものの、なんとかご挨拶は出来た、かなと思う。
良く言えばホスト風。悪く言えばチンピラ風な容姿で、どちらかと言えば後者に近いと思う。
そのチンピラ風の男性は、窓を背にして大きな机に脚を組んで腰掛けており、その脚を解いてこちらに向かって歩いて来た。
私は、今すぐにでも逃げ出したい心境だったのだけど、それをぐっと堪えて立ち竦んでいた。すると、思ったより長身のその男性は、私のすぐ前で立ち止まり、私の顔を見下ろしながら、
「ふーん、この子が俺の担当さん?」と言い、
「左様でございます」
と課長が答えた。という事は……
えーっ、嘘でしょ!?
この人が、神徳直哉社長なの!? 信じられない!
私が目を丸くしていると、課長に肘で小突かれた。ああ、課長が言った驚くなとは、正にこの事だったんだわ。私は我に返り、
「わ、私は、しゃ、社長の担当をさせていただく、秘書課の朝倉舞と申します。どうぞ、よろしくお願いします」
と、噛み噛みではあるものの、なんとかご挨拶は出来た、かなと思う。



