チャラい社長は私が教育して差し上げます!

「社長、どちらへ行かれるんですか?」

黙って出掛けられると、私が困るんですけど!

「ん? 帰るんだけど?」
「まだ時刻が……」

終業時刻前なんですけど?

「そう堅いこと言うなよ。やること無いんで、帰るわ。じゃっ」

「お疲れ様でした!」

私は帰って行く社長に向かい、ペコっとお辞儀をしたのだけど、なんだかなあ。

確かに今から社長の予定は何も無いし、社長に就業規則は関係ないけど、あれでいいのだろうか。


私は内線携帯で恵子に電話をした。

『総務部でございます』

恵子は今は、職場にいるらしい。私もなので、お互いに仕事っぽい口調になる。

「先ほどは失礼しました。こちらは定刻で大丈夫ですが、如何いたしますか?」

『私もそれで結構です。では、ロビーで』

「承知しました。では、失礼いたします」

今夜は恵子に、色々聞いてもらおうっと。