「ただいまぁ。」

家に帰ると、雄介は相変わらずソファーに寝転がりながらスマホをいじっていて、わたしに見向きもしなかった。

わたしはパンプスを脱ぎ、居間に入るとソファーの裏にバッグを置き、キッチンに立つと、ご飯の準備を始めた。

そして炊飯を早炊きにし、ご飯を作り終えたのは帰宅してから30分後の19時半頃。

「雄介、ご飯出来たよ。」

そう言って、テーブルの上に節約の為に作った豆腐ハンバーグと味噌汁、白米を並べていった。

しかし、スマホのゲームアプリに夢中な雄介は全く食べようとする気配はなく、わたしがもう一度「ご飯出来たよ?」と言うと、「ちょっと待てよ。うるせーなぁ。」という言葉が返ってきた。

あ、機嫌が悪い。
きっとまたパチンコで負けたんだな。

わたしはそう思いながら、先に手を合わせ「いただきます。」とご飯を食べ始めた。

そして、もう豆腐ハンバーグも味噌汁も冷めてしまったのではないかというくらいに、やっと雄介はソファーから身体をお越し、ご飯を食べようとした。

しかし、豆腐ハンバーグを見た雄介は不服そうな表情を見せると「これ何?」と言った。

「豆腐ハンバーグ。お豆腐使って作ってみたの。」
「はぁ?豆腐?ハンバーグといったら肉だろ。」
「でも、ちょっと生活費が、、、厳しくてさ。節約する為なの。」

すると雄介は「はぁ、、、」と溜め息をつき、ソファーに再び寝転がった。

「え、食べないの?」
「そんなの食いたくねーよ。あとでカップ麺でも食べるわ。」

わたしは雄介の言葉に何も言い返すことなく、自分の分の食事を済ませた。

自分の食器はシンクの中へ、雄介が一口も手を付けなかった料理はゴミ箱の中へ投げ捨てた。

わたし、、、何で雄介の為に頑張ってるんだろう。

雄介と一緒に居ると、心が擦り減っていく、、、

わたしは虚しさの中、食器を洗っていき、雄介にバレないように静かに涙を流した。