その日、わたしは凄く久しぶりに定時で帰ることが出来た。

外に出ると夕方に吹く風は冷たく、トレンチコートを着ていても寒さからつい肩が上がり首を縮めてしまう。

もうマフラー巻きたいくらい寒い、、、

そう思いながら、わたしはバッグを肩に掛け、手をトレンチコートのポケットに突っ込むと地下鉄の駅へ続く入口から階段を下って行った。

久しぶりの帰宅ラッシュの時間帯に帰れるなんて嬉しい、けど、、、

地下鉄の中が帰宅する人たちでごった返していて、座ることが出来ない。

吊り革に掴まり、地下鉄の揺れでサラリーマンにぶつかられながら、わたしは終点まで地下鉄に揺られていた。

わたしは買い物をする為に駅近くのスーパーに立ち寄ると、ATMへと向かった。

そういえば、水道料金とガス代も払わないといけないなぁ。
でも今日、支払いの紙持って来てないや。

とりあえず明日の朝イチに支払う為にお金だけおろしておこうかな。

そう思い、ATMにキャッシュカードを入れ、残高照会をしてわたしは「えっ、、、」と心の声を漏らした。

残高が、あと6万しかない、、、

家賃と電気代は引き落としされて、、、そういえばスマホ料金がめちゃくちゃ高かったんだ。

雄介がスマホのアプリゲームに課金をしていて、請求額がとんでもなかったんだよね。

あとは雄介にお小遣いを要求されて、ちょくちょく渡してたから、、、

それでこれしか残ってなかったんだった、、、

どうしよう、、、
ここから水道料金とガス代払ったら、あと約4万しか残らなくなる。

あと4万で次の給料日まで、三週間ちょっと過ごせるかなぁ。

わたし一人なら全然余裕だけど、雄介も居るし、、、
まずは節約料理からだ!

そう思いながらわたしは全財産をおろし、財布にしまい込むと、出来るだけ最小限に抑えて買い物を済ませ、帰宅したのだった。