"ごめんね"

何でわたし謝ってるんだろう。

わたしはいつしか、謝る癖がついてしまっていた。

そんなことにモヤモヤしながら、わたしは駅近くのコンビニに寄り、雄介の好きなバターチキンカレーと、疲れ過ぎて食欲はなかったが自分用にツナマヨおにぎりとサラダを買ってコンビニを出た。

そこから徒歩10分先にわたしが住む外観がグレーのレンガ造りのマンションがあり、わたしはその3階に住んでいる。

一応8階建てのマンションな為、エレベーターがついており、わたしの自宅はたった3階だがエレベーターに頼らないと家まで辿り着けない程に疲れており、わたしはエレベーターで3階まで上がると、重りでも乗っかってるのではないかと思う程に怠い身体で303号室を目指し、やっとドアノブに手を掛けることが出来た。

「ただいまぁ、、、」

そう言ってクタクタな状態で玄関に入ると、短い廊下の先に見える居間にあるソファーの上に雄介が寝転がってテレビを見ている姿が見えた。

わたしは浮腫んで痛い足をパンプスから解放させると、居間へと入り、テーブルの上にコンビニで買って来たレジ袋を置き、ラグの上にグッタリと座り込んだ。

「ご飯買って来たよ。」

わたしがそう言って、バターチキンカレーをレジ袋から出すと、雄介はソファーから身体を起こしながら「これだけ?」と言った。

その言葉にわたしはショックよりも、"この人、何言ってるの?"と思ってしまった。

開店から閉店まで働いて、疲れて帰って来て、労りの言葉もなく、ご飯を作る気力も体力もないからコンビニ飯を買って来たら、返ってきた言葉が"これだけ?"、、、

わたしは「ごめん、、、でも今月、なかなか生活費厳しいから、これだけで我慢して?」と言うと、バターチキンカレーを持ち「温めるね。」と言い、キッチンへ向かうとそれを電子レンジの中に入れ、"あたためる"ボタンを押した。

また"ごめん"って謝っちゃった、、、

わたしが悪いのかなぁ。
わたし、何か悪いことしてるのかなぁ、

もうわたしの頭、気持ちは麻痺していた。

こんな生活が当たり前になっていて、わたしが謝る、それが日常になっていたから。