最期の晩餐

「今はいないけど‼ ……じゃあ、作るよ‼ 飲み屋とかで偶然隣に座った男に声掛けて友だちになってくるよ‼」

「それ、ただの逆ナンじゃん。ていうか、無理矢理作らなくていいよ。女の子の友だちだけでいいじゃん」

「なんで? 私に男友だちが出来てその人の相談相手になれば、隼人だって同条件を得て然るべきだから、女友だちの相談に乗れるよ?」

「……そっか。そうだよね。想像したら凄く嫌だった。奈々未が俺の知らない男と一緒にいるなんて」

 私が隼人に持っていた【嫌な思い】をやっと理解したのか、隼人は『うんうん』と頷いた。

「長々と話し合いをしたけどさ、結局私が言いたいのは【自分が嫌なことは他の人にもするな】ってことなんだよね」

「人間として当然のことを改めて言われなきゃいけない状況になるなんて……。俺、子どもたちに教える立場の人間なのに。自信なくすわ」

 ヤケになった隼人が不味いコーヒーを飲み干し、「苦いなぁ、もう‼」とやりきれなさをまき散らした。

「逆に、反面教師として教壇に立てばいいじゃん」

「もうそろそろ、嫌味と文句と悪口言うの終わりにしない?」

 隼人が、病人の私よりぐったりしていた。

「あはははは。そうだね。ゴメンゴメン」

 ちょっと責め立てすぎちゃったなと、口の前て両手の人差し指をクロスさせ、『もう喋りません』 ポーズをとった。