最期の晩餐



「分からないけど、俺だけだったのかもしれないじゃん。だから、俺に頼ってきたのかもしれないじゃん」

「じゃあ、私も相談出来る相手が元彼しかいないから、元彼と連絡取ってみよう。隼人と倫理観が違い過ぎてどうしたらいいか分からないって相談してみる。隼人のことを隼人に相談出来ないし、男の考えていることは男に聞きたいけど、男友達いないから元彼しか頼れないし、いいよね? 具合良くなったら、元彼の家の前で待ち伏せしてみる」

【元彼】といワードを連発しているが、今更会いたいとも思わないし、会う気もない。嘘しか話していないけれど、例え話にフィクションを用いても問題ないでしょうと、堂々とした態度でホラを吹きまくった。

「ダメだよ‼ 奈々未は女の子でしょ‼ 部屋に引きずり込まれたらどうするの⁉」

 私の嘘をアッサリ真に受ける素直な隼人。そういうところを好きになったんだけどなぁ……。

「大丈夫だよ。そんなことするような奴じゃないもん」

「分かんないじゃん‼」

「じゃあ、隼人も亜子さんを引きずり込んでたかも分からないってことだよね? ていうか、部屋に招く気だったんだもんね。外でずっと抱き合ってるわけにもいかないから」

「俺は浮気なんかしないよ‼ 部屋に亜子を入れたとしても、関係を持ったりなんか絶対しない‼ 奈々未を失いたくないもん。そんなに俺は信用ない⁉」

 疑われていることが納得出来ない隼人は、自分を信用してくれない私に苛立ちを見せた。