【この手紙がななみんの手に渡っている頃には、私はもうこの世にはいないのでしょうね。っていう、映画とかドラマでよく見るヤツ、私もやってみたかったから書いてみた】という冒頭の文章に、
「さすが、楠木さん」
私のツボを見事に押えてくる楠木さんに、感服しながら吹いた。
【私、家族はもうみんな死んじゃってるし、楽しそうに生きてるキラキラした友だちの姿を見たくなくて、自分がホスピスに入院してることを親戚以外には言ってなかった。もう少しでどうせ死ぬし、どうでもいいやって思ってた。寂しさはね、そんなに感じなかった。この歳で家族全員失ってる人ってそんなにいないから、他の人より寂しさには耐性あるのかもね。でも、つまんなかった。面白い本を読んでも、共有することも共感してくれる人もいなかったから。私と年齢が近そうな看護師さんにと仲良くなってみようと思ったこともあったけど、ななみんみたいにフランクな感じじゃなかったから、ダメだった。人見知りをしないタイプのななみんを『馴れ馴れしいな』と感じる人もいると思うけど、私は大好きだよ。私を『友だち』って言ってくれたこと、本当に嬉しかった。ななみんとのお喋りが楽しすぎて、どうせ死ぬのが嫌で嫌で、辛くて寂しくて仕方がない。私がこんなに悲しいのなら、ななみんは私が死んだ後に辛い思いをするかもしれない。してるよね? え? してない? しなさいよ‼ きっとしているはずだという体で話を続けます。私と友だちになんてならなければ、そんな思いをしなくて済んだかと思うと、申し訳なさでいっぱいになる。ごめんね。本当にごめん。だからね、お詫びに私がななみんの幸せを確保してあげる。ななみんが幸せになるために自分で出来ることなんて、神社で拝むことくらいでしょ? 私、死んだら神様に会いに行けるから、ななみんの幸せを直談判してあげるよ。だから、幸せになってね。ずっと幸せでいるんだぞ‼ 追伸、ななみんは私の好物が【お母さんのハンバーグ】の一択だと思っているみたいだけど、もう一個あるんだよね。私のもう一つの好物は【ななみんが作る、お母さんのハンバーグ】です。美味しかったよ。ありがとう。人生最後にななみんに会えて良かった】
「さすが、楠木さん」
私のツボを見事に押えてくる楠木さんに、感服しながら吹いた。
【私、家族はもうみんな死んじゃってるし、楽しそうに生きてるキラキラした友だちの姿を見たくなくて、自分がホスピスに入院してることを親戚以外には言ってなかった。もう少しでどうせ死ぬし、どうでもいいやって思ってた。寂しさはね、そんなに感じなかった。この歳で家族全員失ってる人ってそんなにいないから、他の人より寂しさには耐性あるのかもね。でも、つまんなかった。面白い本を読んでも、共有することも共感してくれる人もいなかったから。私と年齢が近そうな看護師さんにと仲良くなってみようと思ったこともあったけど、ななみんみたいにフランクな感じじゃなかったから、ダメだった。人見知りをしないタイプのななみんを『馴れ馴れしいな』と感じる人もいると思うけど、私は大好きだよ。私を『友だち』って言ってくれたこと、本当に嬉しかった。ななみんとのお喋りが楽しすぎて、どうせ死ぬのが嫌で嫌で、辛くて寂しくて仕方がない。私がこんなに悲しいのなら、ななみんは私が死んだ後に辛い思いをするかもしれない。してるよね? え? してない? しなさいよ‼ きっとしているはずだという体で話を続けます。私と友だちになんてならなければ、そんな思いをしなくて済んだかと思うと、申し訳なさでいっぱいになる。ごめんね。本当にごめん。だからね、お詫びに私がななみんの幸せを確保してあげる。ななみんが幸せになるために自分で出来ることなんて、神社で拝むことくらいでしょ? 私、死んだら神様に会いに行けるから、ななみんの幸せを直談判してあげるよ。だから、幸せになってね。ずっと幸せでいるんだぞ‼ 追伸、ななみんは私の好物が【お母さんのハンバーグ】の一択だと思っているみたいだけど、もう一個あるんだよね。私のもう一つの好物は【ななみんが作る、お母さんのハンバーグ】です。美味しかったよ。ありがとう。人生最後にななみんに会えて良かった】



