最期の晩餐

『アンタ、私をどんなサイコパスだと思ってるのよ。捨てるわけないでしょうが。奈々未のことだから一秒でも早く読みたがるだろうなと思って、隼人に持って行くように頼んだ。三十分くらい前に受け取りに来てくれたから、もうそろそろ奈々未の家に着くんじゃない?』

 美知さんに、いらいない気を遣わせてしまった。

 美知さんから隼人を紹介してもらった分際で、しっかり報告しなかった自分が悪い。

「……申し訳ないんですけど、ホスピスに引き返すように隼人に言ってもらえませんか?」

『はぁ⁉ なんで⁉』

「楠木さんのことで頭がいっぱいでお話しするのを忘れてたんですけど……。実は、隼人と別れまして……。紹介してもらっておいて、本当にすみません」

 パンイチで、電話なのに頭を下げながら懺悔する私は、とんだ変態なんだと思う。そりゃあ、隼人だって元カノに靡くわ。

『え? 隼人、そんなこと言ってなかったけど。『ケンカした。どうしたら許してもらえるかな』って落ち込んでたけど』

「えぇ⁉」

 美知さんの話に目が点になった。

 あの時の会話を、別れ話ではなくケンカと捉える隼人もまた、どこかおかしい。