天才悪女は嘘を見破る2〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜ユアン再会編

 前回同様、ふたりの兄とルシアンはアマリリスが泣き止むのを優しく見守り、落ち着きを取り戻したところでお茶を準備した。

 ユアンが淹れてくれた紅茶を口に含み、アマリリスは茶葉の芳醇な香りを堪能する。
 ポーカーフェイスを保ったまま、内心ではこう思っていた。

(今度はユアン兄様の衣装をぐちゃぐちゃにしてしまったわ……! もう、絶対に、絶対に、人前で泣かないから……!)

 ユアンの深い愛情を知って、心が満たされたアマリリスはそう決心する。

「はあ、ユアンに持っていかれたな」
「テオ、最初からわかってただろう?」
「ねえ、まさか、これで終わりだと思っていない?」

 ところが、ルシアンがこの感動的な空気に横槍を入れた。

「どういうことだ? 納得いかないが、今回はユアンの勝ちだろう」
「は? オレがこれだけリリスを幸せにした後で勝負できると思ってんの?」

 テオドールとユアンの言葉を聞いたアマリリスは、まだ隠されていることがあるのだと察する。

(ユアン兄様の勝ちとか勝負ってなに? もしかして、ルシアン様とテオ兄様の空気が微妙だったけど……関係あるの?)

 アマリリスは静かにことの成り行きを見守ることにした。

「僕がなにも手を打たずにいると思う?」