天才悪女は嘘を見破る2〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜ユアン再会編

 テオドールと同様に養子の話など通ってなく、ユアンは王都のスラム街で浮浪孤児としての生活を余儀なくされた。

 生き延びるために泥水を啜り、わずかな賃金のために犯罪すれすれのこともした。

 だからイルシオ商会の裏のボスだった人物に拾われて、大きな恩義を感じていた。

 だが、組織は犯罪も厭わないクズの集まりばかりで、ユアンはどうしたら犯罪に手を染めないでのしあがれるか考えた。

 それもこれもアマリリスに会うためだ。

 金を稼いで国に戻り、必要ならアマリリスを屋敷から連れ出さなければならない。

 ユアンはアマリリスに兄として胸を張っていたい一心で、犯罪に手を染めなかった。

 また、ユアンはさまざまな状況に対応する能力が非常に高く、イルシオ商会が直面する危機を次々と解消していった。

 そのことが商会長の目に留まり、右腕として、また商会の裏の顔である情報専門の闇ギルドのマスターとして暗躍することになる。

 多少の自由を得るまで三年もかかってしまい、久しぶりにアマリリスと再会して妹の現状を知り、屋敷を燃やしてやろうかと思ったくらいだ。