天才悪女は嘘を見破る2〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜ユアン再会編

「対象確保。これにて任務完了です」

 さも当然というような素振りで、テオドールは剣を収める。

 圧倒的な力の前に私兵の騎士たちは青ざめ、一瞬で戦意を失ってしまったようだ。

 第五騎士団の騎士たちに促され、おとなしく連行されていった。

 カーヴェル公爵家は今回の件で断絶になるだろうから、使用人や騎士たちから事情聴取が済めば、その後の身の振り方について話をされるだろう。

 四人だけになった執務室でルシアンが心底嫌そうに呟いた。

「なんだよ、そのえげつない魔法剣。僕の出番がなかった」
「ルシアン殿下を危険な目に遭わせるわけにはいきませんので、少々本気を出しました」
「はあ? だったら昨夜も本気を出してもらいたかったんだけど。絶対にリリスの前だからいいカッコしたかっただけだろ」

 ぶつぶつ言うルシアンをスルーして、テオドールはアマリリスに微笑みかける。

「これで片がついた。リリスの仇は取れたな」
「テオ兄様……!」

 テオドールに優しく抱きしめられ、アマリリスがつけているブレスレットが薔薇のような濃いピンクの光を放った。

 今までにないほど色鮮やかな光に、ルシアンが思いっ切り眉を寄せる。

「恨みっこなしですよ」

 ニヤリと笑うテオドールを、ルシアンはきつく睨みつけた。