アマリリスの読み通り、カーヴェル公爵はプラジャーク王国の詳細を知らなかった。
アマリリスはここで悪女の仮面を被り勝負に出る。
優雅に立ち上がり顔と頭を覆っていたストールを取り払い、太陽のような琥珀の瞳でカーヴェル侯爵を睨みつけた。
「この国の貴族はあまりにも無礼である! 私が王族を語る偽物だと申すのか!? ならばこのアマーリエが王族でないという証を見せよ!」
「あ、いや……」
承認欲求の強いタイプは自己肯定感が低く、肩書を重視する。
失敗を極度に嫌がるから、とんでもない無茶振りをすれば冷静さを欠くのだ。
「アンネ、もうよい。国へ帰って他の方法を見つけよう」
アマリリスはふんっと鼻を鳴らして身を翻した。
アンネは驚きつつも、アマリリスの後を追う。
ふたりが扉へ向かって歩き出すと、カーヴェル公爵は慌てて立ち上がった。
「も、申し訳ございません! まさか、まさか本当に王女様と思わず、無礼な態度を取りました……!」
カーヴェル公爵はアマリリスのはったりにあっさりと引っ掛かる。
アンネは口元がストールに隠れているのをいいことにニヤリと笑っていた。
アマリリスはここで悪女の仮面を被り勝負に出る。
優雅に立ち上がり顔と頭を覆っていたストールを取り払い、太陽のような琥珀の瞳でカーヴェル侯爵を睨みつけた。
「この国の貴族はあまりにも無礼である! 私が王族を語る偽物だと申すのか!? ならばこのアマーリエが王族でないという証を見せよ!」
「あ、いや……」
承認欲求の強いタイプは自己肯定感が低く、肩書を重視する。
失敗を極度に嫌がるから、とんでもない無茶振りをすれば冷静さを欠くのだ。
「アンネ、もうよい。国へ帰って他の方法を見つけよう」
アマリリスはふんっと鼻を鳴らして身を翻した。
アンネは驚きつつも、アマリリスの後を追う。
ふたりが扉へ向かって歩き出すと、カーヴェル公爵は慌てて立ち上がった。
「も、申し訳ございません! まさか、まさか本当に王女様と思わず、無礼な態度を取りました……!」
カーヴェル公爵はアマリリスのはったりにあっさりと引っ掛かる。
アンネは口元がストールに隠れているのをいいことにニヤリと笑っていた。



