天才悪女は嘘を見破る2〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜ユアン再会編

「……許可できない」
「カーヴェル公爵の物証を抑えるために、アンネさんの協力が必要です」
「あら、アマリリスのためなら、どんなことでも協力するわよ。必要なら追跡の魔道具でもつけたらいいじゃない」

 テオドールの眉間にグッと深い皺が寄る。
 せっかく捕らえた重要参考人を逃したくないのだろうと、アマリリスは察した。

「テオ兄様、アンネさんが逃亡する危険性はほぼないと思います。ここまでの言葉に嘘はありません」
「……はあ、わかった。だが追跡の魔道具は付けてもらうぞ」
「ええ、それでいいわよ」

 こうしてカーヴェル公爵を捕えるため、アマリリスたちは密かに行動を起こした。