「イルシオ商会では情報だって商品なのよ。それにカーヴェル公爵は用心深いから、取引したことのある相手でないと姿を見せないわ。あたしならその点もクリアできるけど」
華麗なウィンクをしてみせるアンネに、アマリリスは先ほどから感じていた違和感の理由はここにあったのかと納得する。
(なるほどね……毒薬や情報を扱う商会ということは、裏社会にも通じる組織ということになる。その組織の副会長ともなれば、何度も修羅場を潜ってきただろうから、落ち着き払っているわけね)
それにアンネの顔半分が隠れていることで、相手に感情を読み取らせない意図があるのかもしれない。
アマリリスにとっては優しい商人だと思っていたが、ほんの一面しか見せてなかったようだ。
「ではカーヴェル公爵が持つという毒薬を確保しましょう。ルシアン様、用意していただきたいものがありますので、カッシュ様に連絡をとっていただけますか?」
「もちろん、リリスが望むままに」
恭しく手の甲にキスと落とすルシアンに、アマリリスの心臓が跳ねた。
ごまかすようにコホンと咳払いをして、今度はアンネとテオドールへ視線を向ける。
「テオ兄様、アンネさんの拘束を解いてください」
華麗なウィンクをしてみせるアンネに、アマリリスは先ほどから感じていた違和感の理由はここにあったのかと納得する。
(なるほどね……毒薬や情報を扱う商会ということは、裏社会にも通じる組織ということになる。その組織の副会長ともなれば、何度も修羅場を潜ってきただろうから、落ち着き払っているわけね)
それにアンネの顔半分が隠れていることで、相手に感情を読み取らせない意図があるのかもしれない。
アマリリスにとっては優しい商人だと思っていたが、ほんの一面しか見せてなかったようだ。
「ではカーヴェル公爵が持つという毒薬を確保しましょう。ルシアン様、用意していただきたいものがありますので、カッシュ様に連絡をとっていただけますか?」
「もちろん、リリスが望むままに」
恭しく手の甲にキスと落とすルシアンに、アマリリスの心臓が跳ねた。
ごまかすようにコホンと咳払いをして、今度はアンネとテオドールへ視線を向ける。
「テオ兄様、アンネさんの拘束を解いてください」



